ヒストリー
※注意:以下の但し書きをご理解の上、お読みください。
グレードについて、個人的感覚により調整しています。性別、身長、リーチによって体感グレードは変わりますが、個人的なブログとしてご容赦いただいた上でご覧ください。
なお、グレードを変更した根拠については、それぞれの岩場ブログと、コラム11「グレード解析工房」で説明しています。
2016/10/21
T-wall江戸川橋。クライミング人生のスタート
グレード更新記録
フェース
2018/03/25
城山チューブロック「ミウラー」5.11 RP
2018/11/03
聖人岩「貂が見ていた」5.11a OS
2018/12/22
二子山弓上エリア「ペトルーシュカ」5.12a RP
2019/03/10
湯河原幕岩正面壁「ジョリー」5.11b OS
2019/05/11
北川「秋葉大権現」5.12b RP
2019/12/02
北川「錦ヶ浦」5.12c RP
2021/07/18
瑞牆山カサメリ沢モツランド「プラチナム」5.11c OS
2021/10/28
太刀岡山「カリスマ」5.12d RP
2022/01/08
氷川屏風岩「低脂肪」5.13a RP
2023/12/09
障子岩「ラップ」5.11d OS
2024/03/24
有笠山ジアーチ「天然記念物」5.13b RP
クラック
2018/06/25
小川山妹岩「カサブランカ」5.10b RP
2018/10/06
小川山妹岩「ジャックと豆の木」5.10c OS
2022/08/20
小川山親指岩「クレイジージャム」5.10d RP
2023/04/28
小川山屋根岩1峰東面「花束」5.10d OS
2023/06/17
小川山屋根岩2峰「蜘蛛の糸」5.11b OS
2023/07/16
小川山お殿様岩「イムジン河」5.11d RP
ボルダー
2018/11/18
御岳とけたソフトクリーム岩「凹角右」三級 完登
2018/12/24
御岳マミ岩「右SD」二級 完登
2020/04/10
御岳デッドエンドの岩「デッドエンド」一級 完登
2024/10/25
青葉ボルダー「壺魔人」初段 完登
-5.10
T-WALL江戸川橋でのリードトレーニング。週1くらい。3か月で達成。
-5.11
同上。週2でジムリード。1年で達成。
-5.12a
ジムリードと二子などの外岩で毎週末リードし始める。自宅にトレーニングボードを設置し、10分間ワークアウトでフィジカル大幅強化。週2~3、2年で達成。
-5.12b
外岩リードを中心に、ジムリードと外岩ボルダーにも取り組む。プラトーを経験、ジムリードではオープンラストで居座っても翌日疲労がなく、成長の限界を感じる。土日岩の水曜ジムで週2~3、2年半で達成。
-5.12c
河又や赤岩青巌峡などでショートハードに取り組み、ボルダー力を底上げする。土日岩で平日も行ければ岩で週2~3、3年で達成。グレードを更新するが、完全に成長が止まる。
-5.12d
結婚やグレード伸び悩みによるモチベ低下でクライミングを半年間休止。その後、一旦岩に復帰し、ベーキャン入間に週2で通ってナガモノを半年やりこみ、再度復帰。週1~2でクライミング、加えて指トレ、5年で達成。
-5.13a
同じく5年で達成。以降、テイストの異なる課題を完登し続けるが、グレードは変わらず停滞。
-5.13b
7年半で達成。リードトレーニングに個体としての限界を感じ、自宅での指トレに注力するが、指をパキる。その後、自分が夢中になれる外岩課題に毎週末打ち込むことでベースアップを実現し、グレードを更新する。土日岩で週2、加えて指トレ。
-5.13c(未達)
パンプのゴールド会員になり、週4でジムトレ。内訳は、週3荻パンで週1パンツー。同時に、股関節周りのストレッチを毎晩9分行う。高頻度高負荷のトレーニングを継続するため、テニスボールとフィンガーローラーで体と指のケアを行う。
-5.13d
-5.14a
2016年10月
T-WALL江戸川橋で人生初クライミング。家からチャリで行けるところに、こんな異次元世界があるとは思わなかった。東京で暮らしていると、今までの自分が経験したことのない、多様な文化と触れ合える機会があるのだと思った。初日は5.8が限界で、5.9が初めの目標になった。5.9でランナウトして落ちたのは、今でも記憶に残っている。たぶん3mくらいだが、10mくらい落ちた感覚だった。ランナウトすると危ないのだと思った。
私は生まれつき下半身に筋肉がつきやすく、心肺能力も人並み以上だったので、マラソンや登山は得意だった。半面、上半身の筋肉は貧弱で、一度クライミングすると筋肉痛で1週間レストする必要があった。173cm58kg。握力24。
2016年11月
5.9を1か月半くらいかけて完登。当時のT-WALLは傾斜が途中からスラブに変わる壁があり、ホールドも傾斜に合わせて甘くなるのが、なんとも煩わしかった。先輩から、登れないときは全てのホールドを使ってもよい「なんでもあり」クライミングを教わる。自由で楽しかった。
2017年1月
5.10aが登れた。3か月かかった。
2017年2月
日和田山男岩「右ルート」をリード中、肩を怪我する。フォールしたわけではないが、両手ガストンで岩に掴んで体を引き上げると、肩関節が外れた印象。すぐに元に戻る。片方だが、左肩か右肩かは忘却。その後、女岩をトップロープで登り続け、2~3時間クライミング。翌日肩が痛む。懸垂はおろか、懸垂をする姿勢で空中を握りエアー懸垂をするだけでも肩が痛い。原因は毎日懸垂をやっていたことだと思われる。やったといっても1レップで5回程度が限界だった。それを3レップ。体ができていなかった。
2017年3月
復帰。クライミングすると、左肩または右肩が痛い。週2でクライミング。
2017年4月
師匠とカーネルロックへ。雨の日で、ちょっと濡れた5.10aなどをトップロープで登った。完登の概念がなかったので、1便出しては次の課題、と進んでいった。確か3つ目の課題が5.10cだった。これをトップロープで一日中トライした。トライといっても出だしを永遠と頑張るだけで、辛かった。早く帰りたかった。最終的には、「肩が痛いです」という理由で無限トップロープ地獄から解放してもらった。翌日は酷い筋肉痛で、高熱、神経痛まで出てしまった。節々が痛すぎて整体にも行った。さらに後遺症として3週間くらい飯を食べる度に100%の確率で下痢をした。病院で注射や薬を処方されるも効果は薄く、結局は時間が解決してくれた。GWに北アルプス縦走が控えていたので、かなり焦ったが治ってよかった。これほどではないが、激しいクライミングの後は風邪をひいたり、熱っぽくなる症状が度々発生している。クライミングすると免疫が低下することがわかった。
2017年8月
肩の痛みがなくなる。3日に一回クライミング。
2017年9月
屋久島登山中に小指をつきゆびする。クライミングには支障なし。つきゆびはクライミングにさほど影響がないことがわかった。自然に治癒。
2017年10月
T-WALL江戸川橋で5.11aを完登。5.11に到達するまで1年かかった。これを契機に外岩でリードを始める。5.8にテンションする日々だが、とても楽しかった。
2017年11月
江戸川橋でクライミング中、ルーフのマントリングで頭からフォール。当時は一番奥の壁がルーフだった。背中と肩を強打。どこかのホールドに直撃した印象で、強打箇所が骨でなく筋肉の部分だったので軽傷で済む。約20分休憩後、再度トライし無事トップアウト。原因はクリップをしなかったこと。強打した箇所は青あざとなったが、日常生活、クライミングには支障なし。ベテランのビレイのもとでの事故であり、大怪我のリスクはあったが、室内で失敗できてよかったとも思う。クライミングの教本通りの事故だったが、ビレイヤーがロープを張り気味にしていたわけではない。ルーフの抜けと、垂壁までの幅が狭いと、ロープを流しても空中で止まらず、壁に激突してしまう。
御岳でボルダリング中、砂箱岩左でフォール。下地が悪く、背中を強打。強打箇所が骨でなく筋肉の部分だったので軽傷で済む。原因は自身のリスク管理能力の低さとスポッターのスポット失敗。ともに初心者だった。
2018年1月
日和田山女岩「左ルート」をRP後、結び替え中にセルフをとっていないことに気づく。安定した終了点だが、冷静になり、セルフをとる。原因は結び替えの知識だけで経験が伴っていなかったこと。
2018年3月
土日連日でクライミングできる体を作る。以前は、1日クライミングすれば翌日レストは必須だった。
城山ワイルドボアゴージ「ジゴロ」をトライ中、クリップするためにヌンチャクを掴むが、スリングが細すぎてクリップに手間取り、冷や汗をかく。スポーツ用ヌンチャクの必要性を感じた。初心者はヌンチャクを掴む保持力も筋力もないので、安易にヌンチャクを掴まない方がよいと思った。
T-wall江戸川橋で5.11cをトライ中、パンプした状態で次のホールドを取れるようになる。今まではパンプしたら終了で、いかに時間勝負で挑むかに注力していたが、パンプした状態のギリギリ感を楽しめるようになった。
2018年5月
3連日でクライミングできる体を作る。体作りとして家系ラーメンで米を限界まで食べる、1日4食などを行い、半年で58kg→67kgまで増量。その後は過度な食事は控えプロテインに切り替える。クライミング後に自宅でトレーニングボードの10分間ワークアウトを行い、これで劇的に保持力が向上した。
北川「謙譲の美徳」で頭からフォール。核心前のクリップができなかった。フォール時は疲れ果てていて、回収することで頭がいっぱいになり、冷静な判断ができなかった。同じフォールを前の便でしたときはうまく足からフォールできたが、バランスを崩したのか、頭から落ちた。バランスを崩したという意識もなかった。太もも、ふくらはぎを強打するが、そちらは赤く腫れただけで、前腕の骨に強打した箇所が帰宅すると痛く、ちいさなたんこぶのように腫れあがった。特にクライミングには支障なく、病院にも行かず、自然に治癒。
中2日でクライミングしていたが、中3日で完全回復することを理解する。指、手首、肩、肘、股関節にたまに痛みをかかえるが、数日で回復する日々を送る。減量開始。
2018年6月
土曜日にビックロックの太鼓ルーフを長時間ハングドックしつつトライ中、右肩関節を痛める。関節がはずれた印象。すぐにもとにもどった。その後、クラックや同じく太鼓ルーフをトライ。日曜日に小川山レイバックのマントリングでフォールしかける。ハンドジャムがきまり、足ブラ状態になるが、これでさらに右肩関節を痛める。関節が少しずれた印象。小川山レイバックの前にセレクションを登っていた。その後、龍の子太郎とカサブランカをトライし、合計13ピッチ分くらいクライミングする。その日はアドレナリンが出て痛みもあまり感じなかったが、夜から痛くなり、朝は日常生活に支障が出るほどに。病院でレントゲンをとるが全く異常はないとのこと。エアー懸垂もできるので、前回よりは軽傷だと思う。筋肉がついたおかげか。
2018年7月
約2週間で復帰。それまでは沢登りをやっていた。特別痛みはないが、腕をクロスするストレッチの時に明確に痛む。
2018年9月
右肩関節の痛みがパフォーマンスに影響が出ないくらいに回復する。だが、時折変な動きをすると痛み、右肩を背にして寝転がるのも違和感がある。結局1回目に肩を痛めたときより後遺症が残ってしまった。
2018年10月
クライミングに本格的にハマる。土日両日クライミング(パートナーがいないときはボルダリング)、水曜日に有休を使ってクライミングする日々を送る。
フィンガーボードをやりすぎて、左手中指に痛み、違和感を感じる。アップ中も気になるが、体が温まると気にならなくなる。さほど影響はないがトレーニングを躊躇してしまう。右肩用にサポーターを購入。なんとなく痛みが気にならなくなる。
2018年11月
右肩関節の痛みが解消される。が、二子山「ノースマウンテン」をトライ中、出だしで右肩に「ごりごりっ」という音がする。関節が外れたわけでもずれたわけでもないが、トライ後に痛み始める。再発にイライラするも、翌日聖人岩で普通に登ることができた。あまり重症ではなかったようだ。このところヨガに通っているため家で柔軟運動を一切せず、岩場のアップも適当だったため、しっかりとしたストレッチ、ウォームアップ、クールダウンを行うべきだと感じた(追記:現在は一切やっていない。)。また、外岩に行き過ぎて、左肩の肩甲骨の骨が痛むが、こちらは5日間安静にすると完全に回復した。
握力を図ってみると左、右ともに28くらい。少し上がったようだったが、プロクライマーは60くらいあるので落ち込んだ。
二子山「ペトルーシュカ」をトライ中、セルフをとって上のヌンチャクにロープをかけると、セルフが外れてしまう。落ち着いて再度セルフをとる。原因は、セルフに荷重せずヌンチャクのカラビナをアンダー替わりにして上のヌンチャクをかけたため、一時的にセルフのヌンチャクに荷重がかからず、カラビナが回転して遊びが出てしまったため。次の便で同じ作業を行ったが、セルフは外れなかったし、他のルートでも同じ作業をして外れたことはなかったので、相当稀な現象だと思われる。クライミングを始めてから、カラビナがアンクリップした経験はこれが初めてだった。対策としては、そのような作業を行うときは、カラビナの回り止め(ゴムパーツで、固定されずに遊びが出るタイプ)をつけるか、別のヌンチャクを使ってボルトに直接セルフを取り直すこと。そのため、本気トライでない限り、セルフ用のヌンチャクは2つ用意した方がよいと思われる。
2019年6月追記:ロワーダウン中にヌンチャクを回収するとき、ロープが交差してしまいセルフを取り直す必要がある場合、一時的にテンションをかけていない状態で確保されない状態となる。その場合でもヌンチャクが2本あれば常に確保された状態にすることができるので、ヌンチャク2本は必須装備だと思った。
2018年12月
右肩の痛みが完全といってよいほど解消された。また、毎日3種類の肩ストレッチを行うことにより肩の違和感がほとんどない日々を送ることができた。
室内ボルダリング中、いつもなら筋肉痛ではない何か体の危険信号のようなものを感じて中止するところ、完全にヨレるまでトライすることができた。ボルダリングをするにあたって基本的な体が完成したと思う。これで思う存分追い込むことができる。
御岳の99番d.をトライ中、ランジに失敗して腰から上半身全体でマットに着床してしまう。ランジなど外岩ではやったこともなく、怖くて4~5トライ中断したが、その場で知り合ったクライマーがスポットしてくれるというので、思い切ってトライしてみると痛い目にあった。衝撃はあったものの、全くの無傷。スポッターがベストな位置にマットを移動してくれたのだ。スポッターの技術力に感動。外岩ボルダリングをより気をつけようと思った。
土日・水の週3日で外岩クライミングをすると、シューズを3ヶ月でリソールする羽目になった。
2019年2月
御前岩「WASABI」をトライ中、1ピン目の手前でグラウンドフォール。御岳でボルダリングをしているおかげか足はうまく着地でき無傷だったが、お尻を岩にぶつけてしまい、打撲を負った。原因は、公開されて間もなく不人気のルートで、岩肌が全体的に粉っぽくスローパーで保持したところ、表面の粉で滑ってしまったこと。グラウンドフォールは初めてで、気をつけていたつもりだったが、まだまだ安全への配慮や安定したクライミングができるレベルに至っていなかったことを思い知った。幸い痛み以外にクライミングには支障なく、1週間ほどで気にならなくなったのでただの打撲だったようだ。
湯河原幕岩正面壁「ロングラン」をトライ中、上部のスラブパートで滑り、お尻を岩にぶつける。2週連続の怪我で同じビレイヤーだったのでヤバい奴だと思われても仕方ない。直前のボルトは左下にあり、左に振られるくらいに考えていたが、振られる前に下の棚にぶつかってしまった。足が残っていたらしく、腰から着床する形となった。ロープのおかげもあって前回よりは少し軽傷なくらい。計算して突っ込んだつもりだったが、計算できてなかった。下部がすっぱりとしていないと危ないのだと思った。
2019年5月
北川「秋葉大権現」をトライ中、出だしの核心で左手首を痛める。痛めたといっても若干違和感があるくらい。さらに、右の手首も痛くなる。これは、ハイアンダーという動作によって生じたものだと判明。右の手首については体が順応して違和感はなくなる。左手首はなかなか完治せず、UVをトライしているときも若干の違和感があってデッドをきめる勇気が出なかった。結局、違和感を抱えたまま2つを完登してしまったが、案外体は丈夫なものだと感じた。怪我するたびにクライミングをやめていたのでは何もできないし、逆に体が固くなってリハビリに時間がかかる。違和感なのか、痛みなのか、適宜判断しつつ、うまく怪我と向き合ってクライミングすることが肝要だと感じた。手首については自宅などで捻る動作をすると「ポキポキッ」と音がなるような気がする(実際には音はしない)が、クライミングには支障なし。
握力が右36になった。嬉しい。左は相変わらず30くらい。左利きなんだが…。
2019年6月
手首の違和感は完全に無くなり、クライミングに支障なし。だが、指関節の腱鞘炎が痛くなる。もともと御岳のモンキーポッケ(上部だけ)をやったときから右手の薬指がずっと痛かったが、今度は左手の中指も痛むようになる。クライミング中はちょっと違和感があって痛いだけだが、指が曲がり切らず手のひらに当たらない。前から当たらなかったが、完全にあたらなくなった感じ。強くなっているのか、それともこれが限界なのか…。クライミングには基本的に支障ないが、アップをきちんと行う必要性を初めて感じた。
クライミングは基本的に土日祝と水曜日にやることにした。土日も両日やるのではなく、もちろん天気が良くて予定が空いてかつビレイヤーが見つかれば両日やるのだが、基本的にどちらか1日で、それに加えて水曜日にジムでトレーニング。技術的な面は成熟してきたので、あとはどれだけフィジカルを底上げするかにクライミング能力の向上がかかっているような気がする。なので、クライミングを単なる筋トレと見立て、1日1日を限界まで追い込み、その後きちんと中2日、中3日休むことにする。一般的に週2日は実力が上がらないと思われがちだが、この方法で限界グレードを更新できることを証明したい。
2019年7月
ベースキャンプのロックフェスティバルでリード中、クリップすると同時にフォール。手繰り落ちではないが、手繰り落ちしたも同然だった。高さもあったのでたとえ手繰り落ちしたところで問題はなかっただろうが、このような事態になったことが若干ショックだった。このところギリギリのクリップに慣れたというか、攻めるようなクリップをしていたが、このままではいつか事故を起こしてしまうかもしれない。
2019年8月
河又「かぶってるぜ」トライ中、ビレイヤーが躓き、手を離してしまう。その結果、グラウンドフォール。1ピン目から墜落。手を離したものの、ATCに最低限の制動がかかり、運よく左のケツを若干打つだけで済む。その後のクライミングにも支障なし。ビレイヤーが手を離してしまうのは初めてのことで、覚えの悪いビレイヤーだったのでこんな重大事故を起こす可能性を少し感じていたが、もしかしたら死んでいたかもしれないので、かなりげんなりした。今回の問題は、①躓いたこと、②手を離したこと、③離してからグラウンドフォールする間に再びロープを掴まなかったことの3点である。①については、登山経験のないビレイヤーだったので、自然の岩を楽しむには経験不足だったといえる。今までのビレイヤーは皆登山経験があったので、このような事故は起こらなかったのだろう。また、躓くという現象だが、今回はテンションをかけている最中におこったことだったので、本来ならあり得ない事態だ。なぜなら、テンションをかけている以上は体をロープに預ける以外に選択肢はなく、そのような状態で躓くわけがないからである。ただし、今回は根本的にビレイのやり方が誤っており、それは懸垂下降の経験がないことに理由の1つがあると思う。今回のビレイヤーはどうしても自分の足で確保しようとする嫌いがあり、それは通常の思考では当然といえば当然なのだが、懸垂下降の経験があればロープに身を預けて、テンショントラバースのような動きができたかもしれない。②について、これもあり得ないことで、今までもテンションをかけた後にずるずると30cmくらい下がることがあった。それは、明らかに手を緩めていたのであり、制動側の手は絶対に離しては(動かしては)ならず、あくまで体を動かすことによってのみロープを移動させるべきだということを徹底させなければならなかった(あるいは、クライマーの体重を制動しない側の手で支えるだけのパワーがあれば、その時に限り、制動側の手は自由に動かすことができる。ほとんどクライマーはできるとは思えず、パワー系クライマーの専売特許だと思う。)。③については、これは個人の反射神経などの事情もあるので、どうしようもないと思う。例えば、フォールするときに思い切ってロープやヌンチャクを離し、空中に身を投げ出せるか、というところにもクライマーとしての資質が問われ、これができないがゆえに指の切断や骨折などの事故が起きるのだと思う。今回の事故の解決策としては、①制動側の手を絶対に離さないよう習慣化する、具体的にはテンションをかけたときに1mmもロープを動かさない、②ブレーキアシスト付のビレイデバイスを使う、③懸垂下降などのロープを使った足さばきを学習する、の3点が挙げられる。ただし、ビレイヤーのショックは計り知れないものがある。私自身クライマーを危険に晒したことは一度もないので、どのような心境なのか想像もつかない。自分自身の起こした事故ならば、その場ではクライミングすることを辞めてしまおうと考えてしまうが、少し時間が経つとやっぱりクライミングが楽しくて、クライミングを続けてしまうのだ。今回の事例ではどうだろうか。それでもクライミングを続けたいと思うのだろうか。
赤岩青巌峡「爆発するぜ!」をトライ中、左肩に筋肉に多大な負荷がかかっている感覚を感じる。ガストンの動きで負担がかかっている模様。中2日レスト後、「裏切り」をトライ中、今度は右肩にいつもの痛みが走る。今回はトライ中はアドレナリンが出て気にならないが、日常生活でピリッと痛んだり、いつものようにストレッチはできなくなった。ツアー中なので次の日も果敢にトライ。結局最後までトライ中は平気だった。左肩も多大な負荷を感じ続けたが、ついに怪我をすることはなかった。1日登攀→1日レスト→3日登攀→2日レスト→2日登攀、といった日程だった。2日完全に休んでも完全回復せずむしろ症状が悪化したのは意外だった。最後は3日登攀する予定だったが、さすがに身の危険を感じて最終日は登攀することはなかった。それでも、これだけ体に危険反応が出てもある程度の成果が出たのは嬉しい。今までは痛んだら即終了だったが、だんだん無理ができる体になりつつあることを感じた。その後は5日間しっかり休んだらもう左肩も右肩も日常生活を含めほとんど問題なくクライミングすることができた。1年に1回肩を痛めているが、1回目は1ヶ月レストで完治半年、2回目は2週間レストで完治半年、3回目(今回)は5日間レストでほぼ完治。それもめちゃめちゃなハード日程だったので、週2回でクライミングしている限りほとんど問題はないのだろう。
赤岩に行っている間は、被りもあって指よりは肩に負担がかかった。東京に戻った後はやはり肩よりも指に負荷がかかっているが、6月ほどの恒常的な痛みはなくクライミングができている。
2019年11月
パンプ2でクライミング中、クライマーのフォールに対してロープをかなり流してしまう。原因は、フォールの際にクライマーを見ていなかったこと。ATCパイロットでクライマーを見ずにロープを送ったところ、そのタイミングでクライマーが落ちてしまった。最上部で神経質にビレイをする必要性がなく、クライマーの登りも安定して見えたことで油断していた。対策は、ロープを送りだす際は必ずクライマーを見ること。当たり前のことだが、当たり前のことをどんな状況でも確実にこなしていこう。
2019年12月
週2日でクライミングがうまくなると思っていた時期もあったが、そう簡単に事は運ばなかった。奇跡的にグレード更新できたが、これからはオープンラストの意気込みでクライミングに取り組まなければならないだろう。週2~3日で、限界まで、片手懸垂なども視野にいれつつ努力したい。自分はボルダリングすると腕が痛くなる謎の病気にかかっているが、家のフィンガボードでメトリウスの10分間トレーニングを行うと痛くならないので、家トレを10分してからジムに行くことにする。
2020年1月
握力を久しぶりに測ってみると、なんと左手が40kgに!嬉しい。右手も37~38くらいあったと思う。高校生の時は24くらいだったと思うので、成長を感じられて嬉しかった。今まで、握力がないのにクライミングができる自分を誇りに思っていた。低身長クライマーがyoutubeの完登動画に身長を記載するのと同じで、ハンディキャップがあるのに強い自分スゴイ!という気持ちだと思う。だが、案外握力が低くても登れるクライマーは多く、あまり関係ないと悟ってからは、握力に対する興味が薄れてしまった。
2020年2月
河又ディレッティシマドラゴンを登っているとき、セルフを取ろうとしてカラビナに指を挟んでしまう。皮が深めに抉れたくらいで済む。クライミングはできたが血がとまらずテーピングが必要だった。チョークバックのポケットにテーピングを仕込むべきだろう。原因は、テンションをかけていきなりボルト側のヌンチャクカラビナにセルフを取ろうとしたこと。しっかり手順を踏んで、まずヌンチャクに自分のセルフ用ヌンチャクを連結して、それからもう1つのヌンチャクでボルト側にセルフを取るべきだろう。また、セルフ用ヌンチャクはスリング部分が長い方が、指を挟みにくい。さらに、ボルト側のヌンチャクカラビナではなく、ボルトに直接セルフを取った方が指を挟みにくいかもしれない。
追記:どのようなヌンチャク、スリングを使おうと、一度ヌンチャクのロープ側カラビナにセルフをとり、その後にボルトまたはボルト側のヌンチャクカラビナにセルフを取り直さない限り、指を挟む危険性がある。また、エイトノットはある程度ループを短くしないとセルフを取るのに苦労してしまう。
2021年10月
かなり久々の投稿。クライミングを半年ほど休んでいた時期もあった。クライマーとしての体はかなり出来上がっていて、ちょっとやそっとオーバートレーニングしたところで、怪我をすることはなくなった。そもそも週2くらいしかトレーニングせず、一回登ったら2日以上休んでいるのも大きいが。トレーニングは、片手懸垂やフロントレバーは相変わらずできないが、実現に向けた現実的なトレーニングはできるようになった。片手ロックオフや片足フロントレバーなど、これを続けて、あと2年くらいでできるようになりたい。
太刀岡でカリスマを登っていた時、右トラバースから中央のガバへ左トラバースする際、バランスを崩して頭から落ちてしまった。傾斜があまりなかったので怖いな~とは思っていたが、派手に7メートルくらい落ちてしまった。クライマーの意見ではロープを足に引っかけたのが原因とのことだった。では、そもそもなぜロープに足を引っかけるかというと、不注意もあるだろうが、「バランスを崩す」ことが原因だと考える。ボルダリングで常に落ちることを考えて登るように、リードでもある程度落ちることを(意識無意識にかかわらず)念頭に入れて皆登っていると思う。過度の疲労や、どうしてもワンテンに持ち込みたい、完登したいなどの気合が入っていて周りが見えなくなっている時、バランスを崩す可能性がある。昔、北川の謙譲の美徳でバランスを崩したときも同様の原因だったと思う。
2022年11月追記:これらに共通していることは、取り先がガバであることだ。ガバで手だけ残って体だけ落下体制に入ると、どうやっても頭から落ちてしまう。御前岩のギャギャでも同様のことが起きたので、ある程度は仕方がないと割り切るしかない。実際には本当に頭から落下して壁に頭が直撃したことはなく、胴体だったり、足だったり、背中だったりだ。いつも思うことだが、練習できる時に危ない経験をしておかないと、失敗できない環境で致命的な事故を招いてしまうのではないだろうか。だんだんと、経験を積み、普通の人間ではフォールできないシチュエーションで安全にフォールできたり、バランスを崩したことをすぐに察知して、落下するまでに体制を整えたりすることが、できるようになっている気がする。自分の最終目標はあくまでヨセミテエルキャピタンなので、危ない落ち方をするから絶対テンションするだとか、事故率が高いから懸垂では100%バックアップ&末端処理するだとか、安易に絶対的正解を選ぶようなことはしないようにしたい。怖いからマスターで登る、難しいから挑戦する。精神的・技術的困難さと向き合わないのは、クライミングをしていないのと同じことだ。
2021年11月
モチベーションは上がったり下がったり、週1回になったりするが、どうにか週2回続けている。レコードを更新していると、また一つやる気が出てきた。あと5年で、クライミングを始めてから10年だ。それまでに5.14aを登りたい。
2022年1月
5.13aを登ることができた。クライミングを初めて約5年、途中で修正したものの、一応計画通り5.13aを登ることができた。昔のメモを読んでいると、20代までに5.14aと書いてあった。自分の目標と現実のギャップが辛くて、一時クライミングを辞めてしまったのかもしれない。昔は、課題を落とすために4週連続で異なるビレイヤーを調達しRPしたり、クライミングする曜日を予め決めておいて、それに合わせてパートナーを調達していた。今は、パートナーのやりたい課題や行きたい曜日に合わせることが多くなったと思う。それは、いつもお世話になっているパートナーの為だけではなく、自分にとってもメリットがあることだと思う。クライミングに限らず、ひょっとしたら私に限らず、たとえ大好きなことであっても継続して同じことを続けるのは、それだけで大変なことではないだろうか。まだ生まれて30年経っていない若造なので、思えば4年以上継続して取り組んだ趣味はない気がする。グレードを更新し続ければ、モチベーションは容易に維持できるが、多くのクライマーは成長速度が鈍化する。そうすると刺激がないので、マンネリ化する。これが、人と約束があれば、クライミングが億劫になっても出動せざるを得ないし、そこで思いもしなかった良質な課題と出会ったりする。パートナーの熱意に動かされ、自身のモチベーションも向上するかもしれない。もちろん、自分の行きたいエリアに付き合ってくれることもあるだろう。自分は、合理的でルーティンを作ってしまいがちだが、マンネリを感じて苦痛なのに、何か理由がないとルーティンを変えることができない。そのため、パートナーの突拍子もないお誘いが、大変ありがたく感じることがある。
2022年4月
この半年で、再び高難度に挑戦し続ける日々が始まった。パートナー達に感謝したい。白妙のジャングルジムを取り組んでいて、週4日くらい岩登りしていた。数年前から効率を意識&モチベーション低下で週2日クライミングする日々が続いていた。それでも岩の課題があると頑張れるし、牛歩ではあるが少しずつ、強くなっている実感があった。それと同時に、体が完成して不調がない日々だった。だが、週4日クライミングすると右肩が痛い。必死にトライしていれば無視できる範囲だが。人間にはそれぞれ個体ごとにウィークポイントがあり、私の場合は右肩から始まり、全身の様々な箇所に広がっていくらしい。やはり、週2日は強くなるための負荷が少なすぎる。そこで、最大3日レストのルールを定めることにした。すなわち、中3日までは許容するが、中4日なら間に1日クライミングを挟む。そうすると中1日になったり、目標の課題をトライする時に最適な3日レストを挟むことができなくなるが、長期的に考えてこのルールがモチベーション維持に有効だと思った。ジャングルジムを登るときは、1週間レストを挟んで臨んだが、結果は染み出しだった。そんなことをしても強くはならないし、課題を登るための体のパフォーマンスを一時的にMAX値に増やしているだけで、今回のように染み出すともはや弱くなるのでますます登れなくなってモチベーションが低下する悪循環だ。結局、室内ジムに半年間籠っていた時が一番強くなった、と振り返ってみて思う。これからは、長期的な視野で頑張っていきたい。
2022年5月
白妙橋2Fのサミットを登っていた時に、ロワーダウンして、末端のロープがあと2mというヒヤリハットがあった。ビレイヤーは気づいていなかった。もしも落ちていたら、どうなっていたのだろう。そこで人生が終了していたのかなあ。今後は、室内ジムでも、長いロープでも、必ず末端は結ぶことにした。室内ジムで結ぶのはクセをつけるため。長いロープで結ぶのは、ロープの長さとすっぽ抜けの確率は相関関係にあるが確率が0%にはならないからだ。山の事故でも同様だが、注意している時に事故は起こらない。事故が起こるのは、注意していないからだ。そして事故がいきなり発生する確率は低く、その前兆がいくつか発生する。そこで必ず予防策を講じたい。
2022年9月
ベーキャンでナガモノ5.13aを登った。それまでに、5.12dを2年間で3課題、登った。自分は、ボルダリングだとたまに腕が痛くなるという謎現象が起きるので、ジムに行って強くなるという戦法が取りづらいし、腕が痛くなりやすいボルダリングが嫌いなので、パートナーがいなくてもできるナガモノがちょうどよかった。とにかく時間を投じて、ナガモノをやりまくるという戦法だったが、どうしても5.13aが登れない。技術的、肉体的な限界を感じていた。思ったのは、ジムトレは自分の場合は強くなるための最適解ではない、ということだ。家トレの方が自分に合っているのではないか。例えば、ぶらさがるのだって、家なら無限にぶら下がれるし、レストしなければすぐにパンプする。ボルダーで数手つなぐより、家で1秒ぶら下がれるのを2秒に伸ばす方が負荷は強い。そこで試しに家トレ中心に頑張ってみると、ナガモノ5.13aを登ることができた。しばらくは家トレベースで頑張りたい。
2022年11月~2023年1月
ジムにも行かず家トレばかりしていたが、そうはうまくいかなかった。どうしたら強くなるのか再度考えた時、参考になる理論があった。ユーチューバー北村先生の「神の7秒間」という理論だ。筋肉が強くなるためには7秒間しか必要ない、というのである。その神の7秒間に突入するために、20~30分かけてアップを行うのだという。要は、どれだけ集中できるか、ということだと思う。ジムで強くならないと感じたのは、遊んでしまったり、集中したようで本当には集中できていなかったからだと思う。スマホゲームでも、最初は夢中だったのがいつの間にか片手間になり、気合いを入れ直すとスコアが伸びたことがある。これに対して外岩は、集中できる環境が整っている。パートナーがいないとできないし、天気が良くないとできないし、岩が乾いてないとできないし、日中でないとできない。かなりの制約があり、長時間運転した末に1日3トライ。これにより、集中力を発揮して神の7秒間に突入できるだと思う。ジムトレでも、強くなる方法がある。仲間とのセッション効果である。仲間とトライすることにより、神の7秒間に突入でき、翌日筋肉痛になったことがある。自分は、ジムは一人で行くことが多いので、それでジムトレの効果が薄くなったのだと思った。
家トレがうまくいかないのは、単純にトレーニング方法に問題があると思った。指懸垂、片手懸垂(練習)、フロントレバー(練習)は問題ないが、持久力トレが垂壁しか対応できていなかった。懸垂バーに水平な支柱があり、シンプルな垂直ぶら下がりしかしていなかったのだ。それでもパンプは十分にするが、パンプの種類が違うと思った。いわゆるレジスタンスなパンプ。ボルダーで、レストせず1手1手を出し続ける時の感覚だ。そこで、水平の支柱を取り除いて、懸垂バーの前方に脚立を設置し、ジムの傾斜壁の状態を再現してみた。これはかなり効果的で、思う存分パンプを味わうことができた。足を置く位置で傾斜を調整できるのがよい。ルーフは加重5kg、どっ被りは加重10kg、薄被りは加重15kg、垂直ぶら下がり(脚立なし)は加重20kgにすると、うまい具合にパンプするとわかった。あとは、狙ってる課題に合わせて、傾斜を調整し、狙ってる課題の滞在時間に合わせて、ぶら下がり時間を調整すれば良いと思う。白妙のジャングルジムに跳ね返され、家トレは意味がないと思ったが、それは垂直ぶら下がりでトレーニングしたのが原因だと思う。エクセレントパワーは垂壁なのでこれで上手くいったが、アプローチ方法が全然違うのだ。ジャングルジム対策としてどっかぶりでトレーニングし、再度挑戦したい。
今後は、家トレを中心に、モチベーション維持のためにジムリード、都合がつけば外岩に行きたい。家トレ中心なのは、指懸垂、片手懸垂、フロントレバー、ぶら下がりの4種目で、クライミングに必要な刺激は全て入ると思っているからだ。一時期、ジムリードで2本連続など持久力トレを試してみたが、一度でもレストが入ると、少なくとも自分にとっては効果をあまり感じなかった。あくまで、楽しむためにジムに通いたい。つけくわえるなら、自分は根本的にマラソンなどの耐久トレーニングに耐性があるので、家でひたすらぶら下がるトレーニングが成立し、マラソンが苦手なクライマーは、ジムで仲間と持久力トレをする、という仮説を立ててみる。
先ほどの神の7秒間理論について、家トレではそんなに自分を追い込むモチベーションはないので、毎日やることにした。習慣化して、家トレしないと気持ちが悪いくらいにする。今まで怪我予防で中2日、中3日空けていたが(本気トライの前は中4、5日空けて、空振りだったこともある)、空ければ空けるほど、クライミングの熱は冷める。本気トライの前はレストを入れるが、基本毎日家トレを習慣化することで、モチベーションを維持していきたい。
自分の体はある程度出来上がっていて、怪我しない代わりに、強くもならない。つまり、常人の考える負荷では、もう向上しない。指がパキる人は、パキるだけの負荷をかけることができる人だ。普通の人間は、違和感をすぐに感じ取って、レストを入れてしまう。あるいは、パキってもいないのに、あたかも怪我をしているかのように他人に振る舞う。自分は、パキったことはない。それは、自分の中の危険レベルと、実際にパキる、体を壊すレベルに差があるということだ。そこを怪我する限界ギリギリまで攻めないと、成長はもうない。
2023年5月
うまくいったこともあり、うまくいかないこともある。うまくいったことをは岩の記事で散々書いているので、ここではうまくいかなかったことを書いてみる。それは、天然記念物を登れなかったことだ。6日かけたが、ダメだった。そこで、秋の天然記念物を目標に、毎日トレーニングを心掛けてみる。期間を長期的に捉えて、それまでは毎日家トレ。岩に行く時も、前日まで家トレしようと思う。狙っている課題がある時だけレストを入れてそれ以外は全てのクライミング活動を秋の目標課題のためのトレーニングとして捉えようと思う。
2023年7月
パキった。パキるまで追い込む所存だったが、本当にパキってしまっては元の子もない。原因は水木小川山からの日月小川山からの水曜ジムで、完全にオーバーワーク。本当は休みたかったが、パートナーと初顔合わせだったのでジムの予定を入れてしまった。悲しい。良かったことは、全く痛みを感じない点だ。指の第3関節から第1関節にかけてA1~A5まで腱鞘があり、A2をパキるとかなり酷いらしい。自分は第1関節付近で、おそらくA4あたりをパキったのだと思う。A2をパキらなかったのは、モノポケットによるトレーニングのおかげだと信じる。それ以上は浮けなかったので、第2~3関節部分しか鍛えることができなかった。なので、これからは体を浮かせるのではなく、重りを使って第1関節に負荷をかけていきたいと思う。ポジティブに考えると、パキったことで、ようやく真のクライマーとしてスタートラインに立ったのだと思う。そう思うことにする。
2023年12月
パキりが、ほとんど治ったと思う。登るとちょっと痛いけど、完全に無視できるレベル。もちろん、1回のクライミングごとに、中2日は空けている。確か、パキる前にフルクリンプで7mmが1回懸垂できたと思う。今回それができたので、復帰と考えて良いと思う。パキる前と違うのは、オープン(3本指)、ハーフクリンプ(親指なし)の2種目を取り入れたこと。パキる前はフルクリンプしかしていなかった。小手先の技術のような気もするけど、強いクライマーになるだけでなく、上手いクライマーにならないと天井がもう顔を圧迫するレベルで近いので、使える技術は何でも使っていきたい。
クライミングは、10月に復帰してから、成果はあまりなかった。力the大岩を完登し、この調子でのっぺらぼうや天然記念物を完登しようと思ったが、のっぺらぼうにコテンパンにされ、ついに天然記念物には触ることもなかった。思うに、力the大岩やのっぺらぼうなど、指に負荷の少ない(スローパー&コンプレッション、傾斜がありすぎて高難度でもガバだらけ)課題を選んだことで、今の自分の実力以上の成果(力the大岩のRP)が出てしまって、それでのっぺらぼうで深い挫折を味わったのだろう。たぶん、今の実力は5.13aで、ジャングルジム、GYA-GYA、のっぺらぼう、天然記念物は5.13bなのだと思う。ひどい風邪も引いてしまって調子を狂わされたが、新年、1~2月に虎の穴とシンデレラを完登して、3月から5.13bを登れるクライマーになりたい。
ヒヤリハット的なものは、軽いロープバーンとたぐり落ちをした。この2つはジムでも岩でも未経験で、それが自分のリスク管理能力の高さだと自負していたので誇らしくもあったのだが、、、。まあ、起こしてしまった後に、これが悪い、あれが原因だと、文句を言うのは誰でもできる。周りに事故を起こした仲間がいた時は、勝手に原因分析するのではなく、なるべくそのクライマーの気持ちに寄り添ってあげたい。
2024年3月
天然記念物が登れた。長らく、ここでの記録はヒヤリハットや体力測定的なものから、どうやったら強くなれるか、についてフォーカスしていたと思う。いろいろ迷走中で、現在も迷走中だが、大きな一区切りがついたので、なんとなく成功法則みたいものをまとめてみる。
強くなる方法は人それぞれで、自分で考えて、PDCAを回さなければならない。そして、その法則は年齢やグレード、課題によって変わりゆく。
なので、一度コレ、と決めてルーティンを回しても脳と体がマンネリ化するので効果が薄くなり、傍から見ても効果的なのか非効率なのか、わからない。自分は特に他人の登りやバラし方について、まともなアドバイスができない。できる人は、コーチやガイドとして飯が食っていけるのだと思う。
天然記念物を登れた理由はよくわからない。指力は強くなっていないと思う。フィジカルは少し向上したと思うが、片手懸垂、フロントレバーは相変わらずできない。自分にとっての強くなる法則というのは、外岩に通う、ということだ。年明けから取り組んだ虎の穴、シンデレラボーイ、リバイアサンは、どれも天然記念物を登るにあたって効果的なトレーニングになったと思う。そのような課題に付き合ってくれるパートナーがいたことが、最大の幸運だったと思う。ジムは相変わらず、ボルダリングすると腕が痛くなる。痛みを軽減する方法はあるが、もういろいろ面倒くさいというのが本音だ。外岩なら、どんなにクソ課題でも楽しめるというのが自分の特性なので、どこの岩でも、その日登れるか登れないか、ギリギリのトライをすることが重要なのだと思う。完登することは強くなるにあたっては重要ではなく、それよりも「あと1手で落ちる」という経験、具体的には「あと1cm伸びれば止まる(1cm伸びたので止まった)」、「あと0.5秒振られに耐えれば止まった(0.5秒耐えたので止まった)」という経験、自分の出せる出力をそれまでの100%から101%に引き上げるようなトライ、その経験を積み重ねれば、5.14だってまだ、夢じゃないと思う。
2024年4月
小川山瑞牆合宿に行ってきた。普段登らないクライマーとセッションすることで、自分に足りていない技術が見えてきた。まず一つは、「押す力」。1年前にクライミング仲間から、2段までは「引く」、3段からは「押す」という格言を教えてもらった。要は外岩だとホールドの遠さでグレードが決まりやすく、難度が上がれば上がるほどその傾向が強くなるので、単に引きつけるだけでなく、そこからさらに押しつけることで距離出しを図るという意味だと思う。おそらく、3段から必須の技能であって、2段までは必須ではない。しかし、たとえ級がつく課題であっても、押す力がないと登れない課題が少ないがある。その割合が難しくなるにつれてどんどん増えていって、3段から明確に必要になるのだと思う。自分も数少ないが必要性を感じる場面が増えてきたので、マッスルアップ、吊り輪、距離出しのキャンパなどを練習してみようと思う。二つ目は柔軟性。リードクライミングだと柔軟性はほとんど必要ないが、ボルダリングだと如実に影響してくる。結局は指力と上半身の筋肉で解決できることがほとんどだが、限界グレードだとそうもいかない。柔軟性があればクライミングの幅が広がることは確実なので、生まれてから十数回頓挫している習慣だが、再びストレッチを始めようと思う。指の能力に限界値が来ているので筋肉や柔軟性に頼ろうとするわけだが、今回セッションしたクライマーは、指力に関しては自分と大きな差はないと思う。それでも完登数やトライ数で明確な差が出てしまったので、これは間違いなく自分の伸びしろだと思って頑張ることにする。
2024年6月
ビーストメーカーの6mmで懸垂できるようになった。1年半前くらいから、新たな取り組みとして家トレに注力していた。そこで3,4,5,6,7,8,9,10,12,14,16ミリのプレートを購入し、いろんなバリエーションを加えてトレーニングしていた。結果が出る前に指をパキってしまったわけだが、パキる前は7mmが限界だったので、6mmで浮けたというのは明確な進歩ということになる。だからなんだと言われると言葉に詰まるが、ジムにロクに行かないとリード課題の入れ替え周期ですら短く感じてしまう。フィンガープレートの配置はそうそう変わることがないので、進捗を測るのには丁度良い指標になると思う。将来5mm浮けるようになったら、どのくらいのグレードを登れているのだろう。インスタで、とある選手が5mmで浮けたとか懸垂できたとかで喜んでいたので、少なくとも5.14だと仮定する。
2024年7月
梅雨シーズンが到来した。といいつつ、晴れ間はたまにあるわけで、瑞牆小川山はもちろん、首都圏近郊の岩場だって熱意さえあれば登ることは可能である。実際、フリーを初めて間もない頃はコンディションの概念が薄く、山屋だったこともあり、いかにバッドコンディションでも成果を残せるか、逆張りして濡れた岩を完登できる俺スゴイみたいな若干痛い精神性の持ち主だったため、オールシーズン岩登りしていた。今回の梅雨は、荻パンに通っている。ジムなら交通費の面で節約になるし、毎週末岩に行くのはエネルギーが必要(昔は楽しい以外の感情はなかったが、、、)なので、梅雨時は精神的なレストという位置づけにした。荻パンでは、平日でも休日でも最低4時間居座ることにした。質や量を考えて様々なトレーニングに手を出したが、自分が外岩で強くなれるというのは、単純に時間的要素も大きいと思った。ボルダリングは苦痛に感じることが多いけど、ノーペインノーゲインの精神で頑張りたい。「努力は夢中に勝てない」というが、自分にとっての夢中はリードクライミングで、努力はボルダリングなのだと思う。とはいえ、リードクライミングを夢中にやったとて、根本的に強度が低いので、梅雨シーズンや平日など、限られた期間や時間で成長するにはボルダリングが最適だと思う。
追伸;ボルダリングすると腕が痛くなる病気は、荻パンにおいては限界グレードの2グレード下を全完するアップ(?)で解決した。1時間くらいかかるけど、それで腕が終わるというほどの疲労感はないので、当座はこの問題は解決したと考えてよさそうだ。
2024年10月
すっかり週1クライマーである。とはいえ、家トレに励んでいるので実力は落ちてはいない、と思う。家トレでクリンプばっかりやってパキってしまったので、最近はオープンを頑張っている。結果、8mmを0.5回(体を引き上げるだけ)できるようになった。岩の成果がウンコなので、目に見える成果はコレひとつである。ただ、オープン力が高まったことで、クライミングにも良い影響が出ている気がする。リードクライミングをしていて、クリップする時や少し難しいムーブを起こす時に、オープンで処理できるようになった。今まではクリンプとオープンの差がありすぎて、全てクリンプで処理していた。これでレジスタンス系なクライミングへの適応能力が高まったと思う。ストレニュアス系も、実感はしにくいが効果が出ていると思いたい。そして、長らく頭を悩ませている腕が痛い問題も、これで緩和されていると信じたい。いよいよ今秋に臨むプラズマ火球の結末は、如何に。←激混みでやる気を失いました。
2024年11月
久しぶりのヒヤリハット。というか、軽くインシデント。有笠山で「夢を見る頃(5.11a/b)」のヌンを回収しようとしたら、グラウンドフォールしてしまった。2ピン目まで掛かっていたので、まずは2ピン目までクライミングして回収、その後1ピン目にクライムダウンする時に、指がすっぽ抜けてしまった。原因は、一つ挙げるならクライミングシューズを履かなかったこと。アプローチシューズで足ブラキャンパクライムダウンをしようとしたが、慢心していた。クライミングシューズを履いていれば難なくクライムダウンできたと思う。とはいえ、次回からはちゃんと靴を履いて、ロープも結ぼうと思う。着地面がまあまあ平らだったので、両足で着地でき、大事には至らなかった。右足首がちょっと痛かったけど、その日のうちに痛みは感じなくなった。油断大敵である。