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​00 表記の読み方

表記について

クライミングは、自己満足のスポーツである。ある者にとってA0で登ってもそれを完登したものとみなし得るし、事実それが主流の時代もあった。完登の定義についても、全くの初心者の場合、他人にトップロープを張ってもらって、A0せずに登り切った時、「登れた!」と喜ぶ人もいるだろう。ここで強調したいのは、ある人の「完登した」という嬉しい気持ちを、誰も否定することはできないし、してはならないということだ。クライミングは自由だ。以下に示す説明は、自分がクライミングを楽しむための「自分ルール」である。このHPをご覧になる方が私の記録を誤解しないように、何より自分がクライミングを正解に楽しむために作成している。正確というのは、エリア内、地域間の課題ごとのグレード差を自分なりに調整することや、クライミング用語や完登の定義を明確にすることである。そうすることで、課題を完登した時の達成感が増し、困難さの追求として努力した結果であるグレードに対し、より深く納得することができると思う。

完登(かんとう)

途中でテンションをかけずに終了点まで登ること。マスターと区別する。

OS(オンサイト)

初見で完登すること。どこからどこまでが初見とみなされるのか、クライミング用語の中で最も意見の分かれる言葉だと思うので、ここに私が個人的に定義するOSを説明する。このホームページでOSと表記されている場合は以下の条件下で完登したものだと理解されたい。なお、他人に対してこの定義を主張するものではない。

①ビレイ中にクライマーの登りを視認している場合でも、オンサイトトライのチャンスは失われていないものとみなす。

②岩場において別パーティーの登る姿を見ている場合でも、オンサイトトライのチャンスは失われていないものとみなす。

③上記①~②の場合において、核心部のムーブを視認し、それが自分の参考になった場合、オンサイトではなくフラッシュとする。なお、ボルダーの場合は上記①~②の場合はフラッシュとするが、いずれの場合も「一撃」と表記する。

④一度クライムダウンして地面から再度完登を目指す場合、オンサイトトライは継続されているものとみなす。

FL(フラッシュ)

他人の登りを見て、またはネットなどで情報を得て、1便で完登すること。私がオンサイトと区別するポイントは、積極的に他人の登りから情報を得ようとしているかどうか、である。ビレイ中や他人の本気トライ時はどうしても見てしまうが、それが実際に自分の参考になったことはほとんどないためである。厳密に言えば上記のオンサイトの定義は誤りでしかないが、あくまで自分が自己満足するために定義づけを行った。

RP(レッドポイント)

何回かかけて完登すること。

M(マスター)

ヌンチャクをかけながら完登すること。1ピン目をプリクリップした場合でも、たとえ核心が1ピン目の付近にあったとしても、マスターで完登した扱いとする。

(追記)この定義は、長年クライミングをしていると、さすがに自分でも?がついてしまうが、実際に事例があった場合に再検討しようと思う。

PP(ピンクポイント)

カムをあらかじめセットして完登すること。カムをセットしながら完登することはOSまたはRPとし、Mは連記しない。

TR(トップロープ)

トップロープで完登すること。単にトップロープでトライ、トップアウトなどする場合は表記しない。基本的にリードできないトップロープ課題に対して表記する。後にリードする予定であろうと、完登した場合は一度TRとして完登の記録をつける。

SD(シットダウン)

座った状態でトライを開始すること。ボルダー用語。

撃(げき)

ボルダーの課題を何回で落とせたか。

便(びん)

地面から完登を目指しトライした回数を示す。ボルダー課題であっても、地面に着かない以上は、何トライしても1便でカウントする。ヌン掛け便もカウントするが、全くムーブ練習がない場合はカウントしない。ロワーダウンでヌンチャクセットは1便とカウントしない。ハングドッグなどをしてトップアウトした場合は1便とカウントする。トップアウトできなくても地面に降りた時点で1便とカウントする。出だしで落ちた場合はカウントしない。トップロープで試登した場合は1便とカウントし、完登した(してしまった)場合は一度TRとして記録する。マルチをフォローで登った場合、リードできる課題をトップロープで試登した場合と同様であるため、完登した場合はTRとして一度記録し、後にリードで登った時は(M)RPとして記録する。

ルートの面白さ。日本100岩場のものをそのまま掲載する。

私が感じるルートの面白さ。★に異議がある場合、より面白ければ[☆]としてつけたす。よりつまらなければ[→]により訂正する。そのほか、[△]、[×]でルートを評価する。なお、星の数は0~5つまでの6段階でグレーディングする。

例)より面白い場合…★★☆

  よりつまらない場合…★★★→☆

星5つ…日本を代表する課題

星4つ…岩場を代表する課題

星3つ…完成度の高い課題

星2つ…おすすめできる課題

星1つ…取り組む価値のある課題

星0つ…完成度の低い課題

△…おすすめできない課題

×…誰もトライしていない課題

以下に、星をつける評価基準を示す。

加点基準

①ムーブが面白いこと…1つのムーブにつき星1つをつけるが、星3つ以上のルートとなるためにはこれ以外の加点要因が必要。ただし、特別にムーブが面白い場合は星3つをつけることがある。例)湯河原幕岩希望峰㉑帰還兵(5.10c)

②人気があること…アップルートで星がついてない場合など。原則星1つまで。

③レストポイントがあること…ニーバーレスト等。足も完全に休めるノーハンドレストや全身レストはクライミングの連続性が損なわれているため、減点する。ただし、5.10台の課題についてこれを求めると、5.10クラスの課題ではなくなってしまうため、減点しない場合がある(ただし星3つまで。)。

④核心部の配置が絶妙であること…終了点直下、同強度の核心が2つ以上ある、核心の間にレストがある。または一切ない場合など。

⑤核心部のムーブが多彩であること…身長、リーチを問わず、様々なホールドを駆使してオリジナルなムーブを組み立てることできる場合。

⑥終了点で安定できること…完全に両手を離せる場合は更に加点する。

⑦ロングルートであること…ボルト6本以上が望ましい。

⑧見映えがすること…登攀欲が湧くようなルート。実際に見映えのする箇所を使わないで側面を登る場合は減点する。

⑨見晴らしがよいこと…クライミングとは直接に関係しないので基本的に加点しないが、星3つ、星4つのルートがこの条件を満たした場合、更に1つ上げて星4つ、星5つとする。よって、河又や聖人岩など森の中にあるエリアは星5つとなるルートはない。

⑩ストーリー性があること…上記の要件を満たせば自然とストーリーが生まれると思う。

減点基準

①オリジナルのラインでないこと…オリジナルとは、例えば、忍者返しの岩であれば忍者返し(1級)、デッドエンドの岩であればデッドエンド(1級)のルートのことを指す。ボルダーの場合はそこからさらに限定やバリエーションを加えて楽しむことができるが、ルートの場合は減点対象とする。オリジナルであることを尊重しないと、例えば限定した課題の方が有名で魅力的である課題(北川:錦ヶ浦)が無条件に賞賛されてしまい、もともとのオリジナルのライン(北川:ルンルン・ヒロシ君)の評価が下がり、岩場全体がボルトだらけの節操ない状態と化してしまうため。実際、それが理由でルンルン・ヒロシ君のトライはやめてしまった(どうせ錦ヶ浦をトライするのであれば、わざわざヒロシをやるのは効率が悪い。)。例外もあり、神戸の岩場のオトシブミ、カラヤブリの2ルートはそれぞれのルートが共存できる好例だが、たとえ最後の核心をカラヤブリの方は真正面から解決し、オトシブミは避けて解決するラインだとしても、それでもオトシブミの方がルートとして魅力的だと思う。

②ルートが短すぎること…単に安全上の理由でルートとなっており、実質はボルダー課題である場合など。

③長いルートなのに核心が少ないこと…核心部を取り組むために下部または上部をわざわざリードするような気分で、冗長的に感じてしまうため。

④限定があること…ルートのラインをボルトで限定していると考えると、それ以上何か限定するべきではないと思う。

⑤身長差によって大幅に核心の難度が変わること…課題の内容や達成感を、世代を超えて共有できるのが外岩の魅力だと思うので、リーチで難易度が変わりすぎる課題は好ましくない。トポに「オンサイトを狙いたい」と書かれている課題は、だいたいがホールドが豊富で多彩なムーブを組み立てることができ、星3つの場合が多い。なお、この問題をホールドを限定することで解決してしまうと、個人の身長という身体的特徴を否定することになるので望ましくない。

⑥ルートの途中でグレードがかなり変わること…傾斜が変わるとグレードが大幅に変わってしまう場合など。プラスマイナス4グレード以内なら許容するが、これ以上変動すると一方が他方のグレードに影響せず、ルート全体のグレードが一方のグレードで決定されてしまい、他方のルートの存在意義が無くなってしまうため。

⑦クリップしてクライムダウンできてしまうこと…クライミングの連続性が損なわれるため、減点する。オンサイトのため、戦略的にクライムダウンする場合は除く。明確で大回復できるレストポイントが核心部のちょっと下にある場合など。

⑧岩が脆いこと…脆さの程度により評価を変える。ボルトが古いことは、たとえケミカルであっても絶対ではないことと、人為的な要素で岩の価値を変動させたくないため、星の数は変更せず、注記として申し添える。

パワー系課題。特に偏重な場合表記する。

バランス系課題。特に偏重な場合表記する。

【】

日本100岩場に乗っていないルートについて、これを用いてグレーディングする。グレードに異議がある場合は[→]を用いて訂正する。

例)【5.10a】、(5.10a→5.10b)

グレーディングの基準を以下に示す。

①まずは同じ岩場内でのグレードを調整する。岩場ごとに辛い岩場、甘い岩場などがあるが、それは地域の特性とみなし強引な調整は行わない。目安として、±0.5グレードの幅は許容内とする。そのため、辛い岩場と甘い岩場では最大で1グレードの差がある。

②似たような傾斜で課題の内容も似通っている課題について、比較してグレードを調整する。また、1つのグレードについて傾斜ごとに基準となる課題を設定する。

③基本的にa/bなどの中間グレードはつけない。ただし、初登者がグレーディングした中間グレードを無暗に調整することはしない。また、中間グレードを調整する際、a/b→b/cのようにスライドして中間グレードをつける場合がある。

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