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​34 秋川障子岩

​SHOJI-IWA

※注意:以下の但し書きをご理解の上、お読みください。

(1)グレードについて、個人的感覚により調整しています。性別、身長、リーチによって体感グレードは変わりますが、個人的なブログとしてご容赦いただいた上でご覧ください。なお、グレーディングの基準について、コラム11「グレード解析工房」で説明しています。

(2)星について、100岩では4つ星までついてますが、これもまた個人的感覚により、5つ星までつけています。星の基準については、「00 表記の読み方」で説明しています。グレードに対してこちらは、そこまでの批判は生じないでしょうが、やはり苦労して登った課題の星が下がっている場合があるかと思いますので、よくご理解の上、ご覧ください。

 

南西面

⑲ラップ(5.11d)★★★

2023/12/09  1便OS

印象的なカンテ課題。ぱっと見カンテとも気づきにくいが、取り付きから見上げてみると圧迫感のある傾斜と見事なカンテに圧倒される。核心は4級くらいが2つあって、軽いレストを挟んでいる。最後は強度が下がるが簡単すぎるというわけではなく、限界グレードならどこでも落ちてしまいそうないやらしさを感じた。強いて言うなら、最終パートで5級くらいの強度があったならば4つ星確定だったと思う。それでも3つ星なのは間違いなく、障子岩はラップを登りに来るクライマーが一番多いのではないだろうか。このような名作でオンサイトグレードを更新できたのはとても嬉しい。グレードの停滞にもがいた末に指をパキるという結末を迎え、それでもダイエットを継続したが、RPグレードを更新することができなかった。今回、オンサイトという形でグレードを更新することができたことは、少なからず自身の成長を感じることができ、RPグレードの更新に向けてよい流れが生まれたと思う。グレードについて、5.11dだと少し甘い気もするが、5.11cではないと思う。障子岩はほかにも5.11dや5.12aの課題が複数あるので、オンサイトトレーニングを積む岩場として活用したい。昔、雑誌で「強くなるには?」というテーマで平山ユージが回答しており、「オンサイトトライを頑張る」というのが強くなるための一つの選択肢だと語っていた。その時の自分にはオンサイトで強くなれるイメージがなく、あくまで執念のレッドポイントによって成長するものだと思っていた。今回、ウッシーⅢ、ラップ、ニトロという限界グレードでない3課題を完登したが、次の日の疲労感が凄まじかった。オンサイトは完登後の疲労感が分かりにくいが、1便でも何便でも、101%のチカラを出し切るというのが重要で、それを可能にするのは圧倒的な集中であって、環境としてオンサイト、便数を重ねたレッドポイントの2つがゾーンに入りやすいのかもしれないと思った。

 

南面

①ウッシーⅢ(5.12b)★★

2023/12/09  3便RP

ずっと気になっていた課題。いつも濡れている印象だったが、運よく乾いているタイミングで完登することができた。左右のルートと隣接、特にラップと近いのが気になるが、ラップはカンテの左側をメインに登るので、上手に両立できていると感じた。ルートは4~5級くらいの強度が永遠に続く印象。ロクに休めないのが辛く、しっかり核心も用意されているのが好印象だ。ただし核心は要リーチで、人によっては強度が高すぎてルートの印象が変わってしまうかもしれない。自分にとっては概ね同強度のムーブとホールディングで、城山のオーバードライブを彷彿とさせる(オードラと比べると3グレードぐらい難しいが)。これはもう好みの問題だが、私は核心→レスト→核心の構成が好きなので、オードラやウッシーⅢは2つ星に留めてしまった。オードラは一般的には大人気課題なので、好きな人はウッシーⅢも4つ星クラスに面白く感じるだろう。最後に、リップ手前でラップのカンテに巻くyoutubeが多かった。私はカンテを限定して直登したが、それはクライマーのセンスの問題であって、真に悪いのは岩の形状だと思う。カンテに隣接する課題の宿命だとも思うし、ウッシー課題は大好きなので3つ星にしたかったが、次点の評価とした。最後はいよいよ、幻のウッシーⅡ…!!

⑦ニトロ(5.11b)★★→☆

2023/12/09  1便MOS

出だし核心のボルダー課題。この辺りのルートは暗くなりがちで、ホールドが分かりにくかった。何度クライムダウンしてもホールドが分からないので意を決して離陸してみると、思ったよりリーチーでない間隔で適度にホールドが配置されていた。ボルダーグレードでいうと4級くらい。自分が強くなっているとすると3級もあり得る強度で、そうすると5.11cが適正な気もするが、オンサイトなので洗練させれば4級内に収まる、と思う。少なくとも5.11aではないと考える。石灰岩ならではの3Dなムーブで期待を裏切らないが、突出した面白さがあるわけでもなかったので、単なるボルダー課題として1つ星に減点しておく。

 

南東面

①ジョン・ガーバー(5.11a)

仲間内で噂の仲間内では有名な課題。触ろうと思ったが、さすがにスケールが低く、ボルトも微妙で、課題を選り好みしない性格だと自負していたが、これを触る気にはなれなかった。

④スーパー・コンダクター(5.11b)☆☆

2023/02/26  1便OS

デザート・ストームと勘違いして取りつき、家に帰ったら違う課題だと気付き愕然とした。見た目は三つ星課題とみまがうほど威風堂々としたラインで、ボルトもケミカルにリボルトされていた。内容は、傾斜に入ってから5級くらいのムーブ、最後に4級くらいの遠いムーブとなる。さすがにオンサイトなので正確なボルダーグレードはわからず、ここに記載するのみとする。石灰岩は見た目より傾斜があることが多いが、この課題はそれが特に顕著で、5.11前半の強傾斜課題として貴重といえる。

追伸:一応、5.11dのオンサイト記録更新と思ったが、奥多摩グレードにしては甘すぎるように感じ、自分の体感として5.11bで片付けようと思っていた。家に帰ると課題を間違えていたことに気付き、そのグレードが5.11bだったので、グレード感を大事にしている自分にとってはバッチリ一致していることが嬉しかった。

⑤デザートストーム(5.11d)★★★

ボルトが古いせいでパッとしない印象だが、南東面で最長のラインとなっており、面白そうだ。

⑫アドレナリン・ジャンキー(5.12b)★☆☆

2023/02/26  4便RP

みじかしい系課題最高峰。同じような強度がスタートから4ピン目のクリップまで続く。クリップはマスターだと1ピン目が遠く、かなり緊張するが、ヌンチャクがかかっていればプリクリすることなく登れると思う。いつも、長くて核心が1つだけのルートより、河又のような短くても同じ強度の続く課題の方がクライミングとして面白いと思っている。その点、この課題はたとえ20mの3つ星課題があったとしても引けを取らない、ひょっとするとこの課題の方が面白いとさえいえるほどの内容の濃さがある。グレードはギリギリ適正に感じるが、限界グレードのクライマーだとびっくりするかもしれない。

以下ムーブメモ

右手アンダーでクリップ

左手外傾棚手前のポケット(中指、薬指)

右手外傾棚の右側(変な突起を親指で巻き込む)

左足を上げて、左手をアンダーに返す(わかりにくい)

右手もアンダーに返す(こちらは割りと顕著)

左手縦筋クラックの左上にガストン

右手ポケットガバにガストン

左足キョンで左手ガバ、クリップ

7手2級

右手薄カチ、側対で右手ガバ(外傾しているが、右側が比較的温厚

2手5級

左手斜めガバカチ(ちょっとわかりにくい)

側対で右手甘いガバ

正対に戻して左手激カチ(三ツ星のカチ、あえてオープンにして親指だけクリンプ)

側対で右手カチ

正対に戻し、右足をあげ、右手ガバカチ

5手3級

左手ガバ、右手ガバ、クリップ

2級+5級+3級=5.12b

クリップで区切るとボルダーグレードにバラつきがあるが、手数で考えると同強度なのが面白く、素晴らしい。

⑮筋違い(5.11a→5.11b)☆

2023/02/26  2便RP

よくある核心1個の課題だが、かなり強度が高く感じた。縦ホールドをガストンやマッチで効かせつつ、乏しいスタンスを体幹の力でごまかして進むのが面白かった。

以下ムーブメモ

右手甘いガバ

左手縦カバカチクラックをガストン

右手棚ガバ、左手マッチ

左足を上げて左手縦カチクラックをガストン

右手縦カチクラックにマッチ

左手穴カチ

7手4級

余談:ライン取りというのが、クライマーにおいて一番個性の出るところだと思う。ムーブも個性が出るとは思うが、それは室内ジムで登っても同じであって、ロッククライマーとしてのスタイルに差が出るのがライン取りだと思う。今回のパートナーは、河又のイヤーイヤや太刀岡山小山ロックの太陽が恋しい、小川山姉岩の限定解除の課題で、自分の思い描くカッコイイラインとは明確に違うライン取り、スタイルで登っていた。今回も、簡単な所から登って完登し、そのラインこそが初登のラインで、ボルトの位置も理由があって正規のラインの脇に打ったのだと主張するのかな(ご本人様、ご覧になっていたら申し訳ありません)と思っていたら、今回はトライをやめるのだという。理由を聞いてみると、確かにムーブは簡単になり、自分の思う5.11aの強度にはなるが、あんまりにも面白くなく、私のライン取りで繰り出すムーブで登りたいと。これには驚いた。当たり前のことだが、人それぞれ色々な考えを持ってクライミンングしており、どのようなラインでも、どのようなムーブでも全くの自由で、これに物言いをすることこそ”フリー”クライミングを汚しているのだと思う。思い返すと、T-WALL錦糸町のスラブ壁で、白のホールドが踏まれすぎて黒色になってしまい、ホントは使ってはいけないのにそれを使って完登したクライマー(全くの他人)に対して、文句をつけたくなった記憶がある。今でも鮮明に覚えているということは、この点に関してはそれだけこだわりのある性格なのだと思う。けど、どんなルール設けて、どのように登るのか、決めていいのは課題を向き合っているクライマーだけだと思う。ロッククライミングでは特に。今回の件で、自分の考えだけが正しいのではないと思ったし、他人のスタイルが常に自分より劣っているのでもなく、優劣はつけられないしつけてはならない、よっぽどのことが無い限り他人の登りに文句をつけるべきではないと再確認した。

⑯ペッペッペの羽田さん(5.10a→5.9)

2023/02/26  1便MOS

もはやグレードを正確に測ることは難しいが、5.10aにしては核心らしい核心がなく、易しく感じた。遠さがあると思うので、リーチによっては5.10aになり得ると思う。星をつけない理由は、ムーブを感じられないからだが、それは強くなりすぎたからであって、限界グレードだと面白く感じるのかもしれない。ほかの理由を考えてみると、天王岩のクラックジョイのような形状があれば、星をつけていたかもしれず、壁の端っこにある課題というのは、面白くなりにくいように思う。

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